【2026年9月20日号】近年の道交法一部改正の要点
近年の道路交通法改正|令和5年~令和8年の主な変更点をまとめました
道路交通法は、交通事故の発生状況や新しい乗り物・技術の普及などに合わせて、少しずつ改正されています。
「昔はこうだったけど、今も同じなの?」
そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
今回は、東福岡交通安全協会からいただいた資料をもとに、令和5年(2023年)以降の道路交通法の主な改正について、令和8年(2026年)9月現在の内容まで、特に私たちの身近な交通ルールを中心にまとめました。
令和5年4月~ 自転車のヘルメット着用が努力義務に
令和5年4月1日から、年齢を問わず、自転車を利用するすべての人にヘルメット着用の努力義務が設けられました。
「努力義務」という言葉から、「かぶらなくても違反ではない」と思われる方もいるかもしれません。
しかし、自転車事故では頭部へのダメージが重大な結果につながることがあります。
自転車に乗るときは、年齢に関係なくヘルメットを着用し、自分自身の命を守ることが大切です。
外部リンク ~自転車用ヘルメットと頭部保護帽~【警察庁】
内部リンク 自転車の罰則強化から1年|福岡県での現状と注意点【コラム】
令和5年7月~ 電動キックボードなどの新しいルール
令和5年7月1日から、一定の基準を満たす電動キックボードなどが、「特定小型原動機付自転車」という新しい車両区分に位置付けられました。
一定の条件を満たす車両であれば、
- 運転免許が不要
- 16歳未満は運転禁止
- 原則として車道の左側を通行
- ヘルメット着用は努力義務
など、自転車に近い交通ルールが適用されます。
ただし、すべての電動キックボードが特定小型原動機付自転車になるわけではありません。基準を満たさない車両には、従来どおり別の車両区分に応じたルールが適用されます。
「電動キックボード=免許不要」と一括りに考えないことが大切です。
外部リンク 特定小型原付に関する交通ルール等について【警察庁】
内部リンク 原付1種新区分と注意点と特定小型原付の違い【コラム】
令和6年11月~ 自転車の「ながらスマホ」と酒気帯び運転に罰則
近年、大きく変わった自転車のルールの一つです。
令和6年11月1日から、自転車運転中の「ながらスマホ」や酒気帯び運転について罰則が強化されました。
ながらスマホ
スマートフォンなどを手に持って、
- 通話する
- 画面を注視する
といった行為が罰則の対象となりました。
さらに、実際に交通の危険を生じさせた場合には、より重い罰則が適用されます。
自転車の酒気帯び運転
自転車についても、酒気帯び運転が罰則の対象となりました。
また、飲酒運転をするおそれのある人への酒類の提供、自転車の提供、同乗などについても罰則が設けられています。
「自転車なら飲酒しても大丈夫」という考えは、もちろん通用しません。
外部リンク 自転車のスマホ・酒気帯び罰則強化【警察庁】
令和7年~ 普通免許の教習・試験も変化
道路交通法の改正に伴い、運転免許制度にも変化があります。
令和7年4月1日からは、普通免許・普通第二種免許について、AT車を基本とした技能試験・技能教習の方法へ見直しが行われました。
さらに令和8年4月1日からは、中型・準中型などにもAT免許が導入されています。
また、令和8年4月1日からは、普通免許・準中型免許の仮免許取得や運転免許試験の受験資格について、一定の条件のもとで17歳6か月へ引き下げられました。
ただし、普通免許そのものを取得できる年齢は18歳のままです。
高校生の免許取得にも関係するため、今後さらに知っておきたい変更の一つです。
内部リンク 17歳6か月で仮免許取得へ!【コラム】
令和8年4月~ 自転車にも「青切符」
そして、令和8年4月1日から始まった大きな変更が、自転車への交通反則通告制度、いわゆる「青切符」の導入です。
対象となるのは、16歳以上の自転車運転者です。
自転車は道路交通法上「軽車両」であり、もともと交通ルールを守る必要がありました。
今回の制度導入によって、一定の交通違反について、これまでより明確に反則金制度の対象となりました。
例えば、
- 信号無視
- 一時不停止
- 通行区分違反
- 携帯電話使用等
などが対象となります。
ただし、何でも違反を見つければすぐ青切符、というわけではありません。
警察庁は、基本的には指導・警告を行い、悪質・危険な違反などを取締りの対象とする考え方を示しています。
外部リンク 免許はなくてもドライバー【警察庁】
内部リンク 4月1日道路交通法改正|自転車にも「青切符」導入【コラム】
令和8年4月~ 自動車と自転車の「側方通過」にもルール
同じく令和8年4月1日から、自動車等が自転車等の右側を通過する場合の新しいルールが施行されました。
自動車と自転車の間に十分な間隔がない場合、
- 自動車側は、間隔に応じた安全な速度で進行
- 自転車側は、できる限り道路の左側端に寄って通行
することが求められます。
警察庁は目安として、自転車との間隔を少なくとも1メートル程度確保すること、1メートル程度の間隔を確保できない場合には20~30km/h程度まで減速することを示しています。
これは自動車を運転する私たちにとっても、非常に重要なルールです。
「抜けるから抜く」のではなく、自転車との距離と速度を考えて安全に通過する。
これまで以上に、自転車を交通の一員として意識する必要があります。
外部リンク 自転車ポータルサイト【警察庁】
内部リンク 2026年4月施行改正道路交通法をわかりやすく解説【コラム】
令和8年7月~ 「酒酔い運転」の基準に数値基準
令和8年7月21日からは、飲酒運転に関する道路交通法も改正されています。
「酒酔い運転」について、これまでは「アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態」という基準でした。
改正後は、
呼気中アルコール濃度0.5mg/L以上
という数値基準が設けられました。
ただし、0.5mg/L未満であっても、アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態であれば、酒酔い運転に該当する可能性があります。
なお、酒気帯び運転の基準は変更されていません。
「少しなら大丈夫」という考えは、飲酒運転では絶対に持たないようにしましょう。
外部リンク みんなで守る「飲酒運転を絶対にしない、させない」【警察庁】
内部リンク 速度・酒酔い運転の数値基準と処罰を分かりやすく解説【コラム】
令和8年9月~ 生活道路の法定速度が30km/hに
そして、今回の記事を掲載する令和8年9月20日現在、最も新しい大きな変更がこちらです。
令和8年9月1日から、生活道路における自動車の法定速度が、原則として60km/hから30km/hへ引き下げられました。
ただし、一般道路がすべて30km/hになったわけではありません。
主に、中央線や車両通行帯が設けられていない、地域住民の日常生活に利用されるような道路が対象です。
一方、中央線や車両通行帯が設けられている一般道路などは、引き続き60km/hが法定速度となります。もちろん、道路標識等による速度指定がある場合は、その指定速度に従います。
大切なのは、
「30km/hなら30km/hまで出していい」ではなく、道路や交通状況に応じた安全な速度で走ること。
生活道路では、歩行者や自転車、子どもなどが突然道路に出てくる可能性もあります。
速度を抑えることは、事故を防ぐだけでなく、万が一のときの被害を小さくすることにもつながります。
外部リンク 生活道路における自動車の法定速度が引き下げられます!!【警察庁】
内部リンク 生活道路の法定速度が「60km/h→30km/h」へ【コラム】
道路交通法は「知らないうちに変わっている」
ここ数年の道路交通法を振り返ってみると、
自転車、電動キックボード、スマートフォン、飲酒運転、生活道路など、私たちの日常生活に直結する部分のルールが大きく変わっていることが分かります。
そして、道路交通法の改正は「新しいルールを覚えること」だけが目的ではありません。
交通事故の発生状況や、新しい乗り物・技術の普及など、現在の道路交通の実情に合わせて、より安全な交通環境をつくるために行われています。
免許を取得した後も、
「免許を取ったときに習ったから大丈夫」ではなく、交通ルールは変わるもの
という意識を持っておくことが大切です。
東福岡自動車学校でも、今後も道路交通法の改正や交通安全に関する情報を分かりやすくお伝えしていきます。
ご家族や身近な方とも、ぜひ交通ルールについて話すきっかけにしてみてください。
一人ひとりがルールを知り、守ることが、安全な交通社会につながります。

