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【2026年8月25日号】飲酒運転を、もう二度と繰り返さない|海の中道大橋事故から20年、今こそ考える「ゼロ」

【2026年8月25日号】飲酒運転を、もう二度と繰り返さない|海の中道大橋事故から20年、今こそ考える「ゼロ」

はじめに――2026年8月25日、福岡県は「飲酒運転ゼロ」を誓いました

2026年8月25日

福岡市東区のなみきスクエアで、「令和8年度 福岡県飲酒運転撲滅県民大会」が開催されました。

今年は、福岡市東区の海の中道大橋で、飲酒運転によって幼い3人の命が奪われた事故から20年。そして、2011年に粕屋町で飲酒運転の車に高校生2人がはねられ、命を奪われた事故から15年という節目の年です。

県民大会では、飲酒運転「ゼロ」を誓う黙とうや、飲酒運転撲滅活動功労者の表彰、飲酒運転撲滅メッセージの発信などが行われました。福岡県も「悲惨な事故を決して忘れない」という強い決意を改めて示しています。

東福岡自動車学校がある福岡市東区にとって、海の中道大橋の事故は決して遠い場所の出来事ではありません。

だからこそ、20年という節目に、私たちも改めて考えたいと思います。

飲酒運転は、なぜなくならないのか。
そして、私たちは何をすれば「ゼロ」に近づけることができるのか。


海の中道大橋で起きた、忘れてはいけない事故

2006年8月25日。

福岡市東区の海の中道大橋を、家族5人が乗った車が走行していました。

そこへ、酒を飲んだ男が運転する車が追突。

家族の車は橋から海へ転落し、当時1歳から4歳だった幼い3人の命が奪われました。

加害者は、飲酒運転の発覚を恐れて事故現場から逃走。

この事故は、福岡だけではなく、日本社会全体に「飲酒運転の危険性」を強く突きつけることになりました。

翌2007年には道路交通法が改正され、飲酒運転に対する罰則が強化されました。

しかし、それでも飲酒運転による事故はなくなりませんでした。


5年後、今度は高校生2人の命が奪われた

2011年2月9日。

粕屋町では、歩いていた高校生2人が、酒を飲んだ男が運転する車にはねられ、命を奪われました。

海の中道大橋の事故から5年。

「もう二度と、同じ悲劇を起こしてはいけない」

そう願い、さまざまな取り組みが進められていた中で、再び飲酒運転によって未来ある若者の命が失われたのです。

これらの事故をきっかけに、福岡県では飲酒運転撲滅に向けた取り組みを強化してきました。

2012年には全国で初めて罰則付きの「福岡県飲酒運転撲滅運動の推進に関する条例」を制定。

その後も条例改正を重ね、2020年には飲酒運転を見かけた際の通報を義務化するなど、取り組みを強化しています。

それでも、飲酒運転は「ゼロ」にはなっていません。


20年経った今も、飲酒運転はなくなっていない

福岡県の特設サイトによると、県内の飲酒運転による交通事故は、近年再び増加する状況も見られ、昨年も96件発生しています。

また、飲酒運転の検挙件数も増加しており、特に自転車の酒気帯び運転が急増しています。

全国でも、令和7年中の飲酒運転による交通事故は2,283件。そのうち死亡事故は125件でした。

さらに、飲酒運転による死亡事故率は、飲酒なしの場合と比べて約6.9倍。

「少ししか飲んでいない」
「酔っている感じはしない」
「近くだから大丈夫」

こうした自己判断が、重大事故につながる危険性があります。


今年、飲酒運転をめぐる法律も変わりました

そして、2026年は飲酒運転について知っておきたい大きな法改正がありました。

令和8年7月21日から、酒酔い運転に新たな数値基準が設けられました。

これまで酒酔い運転は、

「アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態」

という基準で判断されていました。

今回の改正では、これに加えて、

呼気中アルコール濃度0.5mg/L以上

という明確な数値基準が設けられています。

なお、0.5mg/L未満であっても、アルコールの影響によって正常な運転ができないおそれがある状態と認められれば、酒酔い運転に該当する可能性があります。

酒気帯び運転については、これまでどおり呼気中アルコール濃度0.15mg/L以上が基準です。

さらに今回の法改正では、「自動車運転死傷処罰法」についても飲酒による危険運転致死傷罪の基準が明確化され、呼気1リットルにつき0.5mg以上、または血液1ミリリットルにつき1.0mg以上のアルコールを保有する状態で自動車を走行させ、人を死傷させた場合などについて、危険運転致死傷罪の対象となる基準が設けられました。

つまり今年は、「飲酒運転をなくす」という社会の決意だけでなく、法律の面でも危険な運転に対する基準がより明確になった年なのです。


「0.5mg/L」が安全ラインという意味ではありません

ここは非常に重要です。

「0.5mg/L未満なら運転してもいい」

という意味では、絶対にありません。

飲酒した状態で運転すること自体が禁止されています。

警察庁も、アルコールは少量でも脳の機能に影響を及ぼし、注意力・判断力・情報処理能力などを低下させると説明しています。

「酒に強いから大丈夫」という考え方も危険です。

飲酒による運転能力への影響は、本人の「酔った感じ」だけでは判断できません。

お酒を飲んだら運転しない。
運転するなら飲まない。

これが唯一の安全な選択です。


「飲まない」だけではなく、「させない」「許さない」「見逃さない」

飲酒運転をなくすために大切なのは、運転する本人だけではありません。

福岡県が掲げるのは、

「飲酒運転は絶対しない、させない、許さない、そして見逃さない」

という考え方です。

例えば、

  • お酒を飲んだ人に車を貸さない
  • 飲酒運転をすると分かっている人に酒を提供しない
  • 「代行を呼んだから」と言っている人に無理に運転させない
  • 飲酒運転の車に同乗しない
  • 飲酒運転と思われる車を見かけたら110番通報する

こうした一人ひとりの行動が、事故を防ぐことにつながります。

福岡県の特設サイトでも、ふらつきや蛇行運転、青信号なのに発進しない車、酒に酔った様子の人が運転席に乗り込もうとしている場合などは、迷わず110番通報するよう呼び掛けています。


自転車も「飲酒運転」です

もう一つ、忘れてはいけないのが自転車です。

「車じゃないから大丈夫」

ではありません。

自転車の飲酒運転も禁止されています。

2026年4月からは、自転車にも交通反則通告制度、いわゆる「青切符」が導入されました。

東福岡自動車学校でも、これまで道路交通法の改正についてコラムで取り上げてきました。

【関連記事】2026年4月施行|自転車の青切符制度・新ルールを解説

そして今回の7月の法改正についても、詳しく解説しています。

【関連記事】2026年7月増刊号|危険運転の基準が変わる!速度・酒酔い運転の数値基準を解説

道路交通法は、単に「捕まるため」のルールではありません。

自分自身の命を守り、家族や友人、道路を利用するすべての人の命を守るためのルールです。


「忘れない」ことが、未来の事故を防ぐ

今年8月、福岡県は飲酒運転撲滅特設サイト、

「忘れない。飲酒運転のない 明日に向けて。」

を開設しました。

そこには、海の中道大橋事故と粕屋町事故の概要だけではなく、ご遺族のメッセージや、これまでの飲酒運転撲滅の歩み、現在の状況などが掲載されています。

福岡県「飲酒運転撲滅特設サイト|忘れない。飲酒運転のない明日に向けて。」

20年前に起きた事故。

15年前に起きた事故。

年月が経てば、私たちの記憶は少しずつ薄れていきます。

しかし、事故によって失われた命が戻ることはありません。

だからこそ、「忘れない」ことが大切です。

事故を知る。

飲酒運転の危険性を知る。

法律を知る。

そして、「自分は絶対に飲酒運転をしない」と決める。

さらに、家族や友人が飲酒運転をしようとしたときには、「やめよう」と言える人になる。

それが、悲劇を繰り返さないための一歩なのではないでしょうか。


東福岡自動車学校から、皆さまへ

私たち自動車学校が教えるのは、単に「免許を取るための運転技術」だけではありません。

免許を取得したその日から、一人ひとりが道路交通社会の一員になります。

だからこそ、

「自分は大丈夫」ではなく、
「事故を起こさないために、自分には何ができるか」

を考えてほしいと思っています。

飲酒運転は、運転技術の問題ではありません。

「飲んだら運転しない」という選択ができるかどうか。

そして、周囲の人も「まあいいか」で済ませず、止めることができるかどうか。

海の中道大橋事故から20年。

粕屋町の事故から15年。

この節目を、ただ「悲しい事故があった日」として終わらせてはいけません。

あの日失われた命を無駄にしないために。

これから免許を取得する人も、すでに運転している人も、今一度考えてみませんか。

飲酒運転は、絶対にしない。
させない。
許さない。
そして、見逃さない。

福岡から、飲酒運転「ゼロ」の未来へ。

東福岡自動車学校も、地域の皆さまとともに交通安全の取り組みを続けてまいります。


あわせて読みたい

2026年7月増刊号|危険運転の基準が変わる!速度・酒酔い運転の数値基準を解説

2026年4月施行|自転車の青切符制度・新ルールを解説

外部リンク

福岡県「飲酒運転撲滅特設サイト|忘れない。飲酒運転のない明日に向けて。」

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